加速するCO2増加の原因は?(1)
大気中の二酸化炭素(CO2)の増加スピードが、1990年代よりも加速している現状を以前お示ししました(本ブログ2025年1月11日付『温暖化対策(CO2削減)の成果を検証』)。
この事実から、1990年前後に始まったと考えられるCO2排出削減の取り組みは事実上失敗している、としました。
この件に対する反論もしくは言い訳としては、「再生可能エネルギーや電気自動車(EV)の促進などのCO2排出削減の取り組みは確かに進んでいるが、世界人口の増加によりエネルギー消費が増えているため効果が表れていない」といった声があるかもしれません。
CO2排出削減の方法として、再エネやEVなどの取り組み自体は間違っていないが、人口増加がこれらの効果を帳消しにしている、といった言い分です。
1990年代、いやそれ以前から、世界人口は増加すると予測されていました。
例えば、ネットから拾える資料として、厚生省人口問題研究所による「人口統計資料集 1987」があります。2ページ目に国連の人口推計(1984年推計)資料があります。
これによれば、世界人口は増え続け、2025年には約80億人(中位推計値)に達すると予測されていたことがわかります。
2025年の人口推計が約82億人3,200万人(https://tokyo.unfpa.org/ja/publications/swop2025)なので、予測は概ね正しかったといえます。
一方、エネルギー消費の将来予測は、国際エネルギー機関(IEA)が World Energy Outlook と題して毎年発表しています。最も古いものは1993年版になります。
残念ながらネットから原典に辿りくつことができませんでしたが、1993年時点での世界のエネルギー消費は、1990年と比較して2020年には約1.7倍になると予想されていたようです。またその内訳は、それぞれおよそ石油1.5倍、石炭1.8倍、天然ガス1.8倍、原子力1.6倍、水力・その他2.1倍だったようです。
(※原典が確認できていないため、「〜ようです」といった表現になっています。)
世界人口の増加に伴い、エネルギー消費も増加することが1993年時点で予想されていました。当時はまだ「その他」扱いだった再エネは2倍以上の増加が見込まれていた一方、化石燃料も1.5倍以上の増加が予想されていました。
1990年前後には既に世界人口と化石燃料消費の増加が予測されていたわけですから、本当にCO2排出量を減らしたいのであれば、現在も取り組み続けている対策がそもそも間違っているのではないでしょうか。
次回は、世界人口とエネルギー消費が実際にどうなったかについて見てみたいと思います。また、タイトルの「加速するCO2増加の原因は?」については、その後に考察していきたいと思います。