メガソーラーは必要か?

 日本にこれ以上のメガソーラーは必要なのでしょうか?

 メガソーラーとは、出力1メガワット(1,000キロワット)以上の大規模太陽光発電を指します。
 1メガワットのメガソーラーを設置するためには、概算で面積8,000平方メートルほどの土地が必要です(https://asuguri.jp/megasolor/)。サッカーコートやラグビーコートの広さが約7000平方メートルなので、それより一回り大きい面積になります。

 メガソーラーが各地で増えるにつれて、自然環境の破壊や保水力低下による災害への懸念などから、建設に反対する声も大きくなっています。福島市は、2023年8月に「ノーモア メガソーラー宣言」をしました。

 二酸化炭素の排出が少ない再生可能エネルギーとして、太陽光発電は広まりましたが、二酸化炭素を吸収する森林を伐採して建設されるメガソーラーは、本末転倒と言われたりもしています。

 そして今、釧路湿原のメガソーラーが、アルピニスト・野口健さんの呼びかけで注目されています。
 "釧路湿原メガソーラー強まる反対 冨永愛さんやつるの剛士さん…野口健さん呼びかけが反響" 2025/8/20 11:47
(https://www.sankei.com/article/20250820-RRR7UJ6CRNDZTBO5GEHU3OOHRE/)

 何事にもメリットとデメリットがあります。少なくとも日本において、メガソーラーはデメリットのほうがメリットを上回っていると感じている人が多いのではないでしょうか。

 太陽光発電は電力供給が不安定なため、需要にあわせるために供給電力を調整する必要があります。現在その役割を担っているのが火力発電です。(原発は容易に出力を増減できません。)

 化石燃料から再エネへ、と言われることがありますが、再エネを増やしても火力発電がなくなることがないのが現実です。
 そこで、電力調整に蓄電池を利用するという方法も考えられます。しかし、蓄電池を作る過程で大量の二酸化炭素が排出されることは、EV(電気自動車)の蓄電池事情から容易に想像できます。

 自然環境を破壊し、そこの動植物の命や住み家を奪い、山の保水力を奪い、景観も悪くするのがメガソーラーです。
 それだけではありません。太陽光発電の発電効率はせいぜい20%程度です。残り80%の太陽エネルギーは熱となって周辺に放出されます。メガソーラーの放熱が周辺環境や気候にどのような影響を及ぼしているのか、まだ詳しい研究結果はでていません。
 しかし、ヒートアイランド現象と同様のことが、メガソーラー周辺で起きているであろうことは予想できます。

 現代社会で化石燃料の使用をゼロにするなど、どう考えても不可能です。
 再エネは「善」、化石燃料は「悪」といった固定観念を捨てて、エネルギー・環境問題の解決策をあらためて考える時期に来ているのではないでしょうか。

2025年8月27日