7月4日に「南海トラフ巨大地震」“予言”

 7/4(月) 13:10配信のヤフーニュースに、『未来人を称する「南海トラフ巨大地震」“予言”が不安広げる 気象庁「日時と場所を特定した地震予知情報はデマ」』といった記事がありました(https://news.yahoo.co.jp/articles/aa7f8e8aa86e10f44a917e6d3cc7348ac7fd8c2c ソースは https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2207/04/news075.html)。また、2022年7月3日から7月4日にかけて、Twitterでは「南海トラフ」がトレンド入りしたそうです。
 
 ヤフーコメント欄には、「こういうデマを拡散したくないのであれば、記事すら載せない方が良い」とする意見がありました。
 掲載した側からすれば、Twitterで「南海トラフ」がトレンド入りしたぐらい注目度があったので、記事にしたのかもしれません。しかし、Twitterにトレンド入りする文言など数えきれないほどあります。それらすべてを記事にすることなどは無理でしょう。であるならば、コメントにあったように、「記事すら載せない」といった選択肢もあるはずです。
 人の不安を駆り立てる地震予言のたぐいは、デマと思いつつも関心を持ってしまう人が少なからずいます。だから、今回のようにネットニュースとして取り上げられているわけです。取り上げる側からすれば、一定数の関心を引くネタと認識しているでしょう。

 続いて、7/5(火) 10:30配信のヤフーニュースには、『「南海トラフ大地震」予言デマ騒動 不安あおった自称「2054年の未来人」の動機は?識者が分析』が掲載されました(https://news.yahoo.co.jp/articles/c5fc3b3a157f4101c23619bd1e9c150e100193af ソースは https://www.j-cast.com/2022/07/05440954.html)。この記事では、自らの予知能力を信じている者もいるとしています。

 自分は「地震が予知できる」と信じている人は確かにいます。しかし、「検証したいので、データをお示しください」とお願いすると、そこで話が終わってしまいます。過去にそうした経験をしたことがあります。
 おそらく、こうした人たちは、自分には地震を予知できる力がある、といった自らの姿を保ち続けること自体を大切にしているのではないかと考えています。
 上記 7/5(火) 10:30配信の記事では、「犠牲者を減らすべく『親切心』で情報発信を行っているのでは」としていました。仮にそうであるなら、本当に人命救助に役立つ情報なのかどうか、その検証を拒む理由はありません。しかし、検証を拒むということは、自らの像を保ち続けたいといったことが優先されている、と考えた方が合理的なのではないでしょうか。

 地震予知に関する情報を流す人は、愉快犯であったり、自分は地震が予知できると本気で信じていたり、人命救助を建前にした単なる金儲けであったり、といろいろあります。
 避難行動を促せるような確度の高い地震予測(予知)は、少なくとも現時点ではできません。したがって、気象庁も言っているように「日ごろから地震に対する備えをする」ことが、私たちにできる防災ということになります。

2022年07月05日